↓こいつです。ちなみにお客様のではなくウチのです。

一般的なユーザーに人気があるのはキヤノンやエプソンか、テレビショッピングなどで必ず出てくる「hp(ヒューレット・パッカード)」あたりでしょうが、コレはちとマイナーなメーカー・ブラザー(日本じゃミシンが有名ですし、業務用FAXとかは北米でかなりのシェアです。念のため)の複合機、MyMio MFC-830CLWNです。
一般的な複合機は、プリント、スキャン、コピーといった機能を持っていて1台3役以上をこなせる便利グッズですが、こいつは更なる特徴として、
・ネットワーク印刷対応で、ケーブル差し替えなしに複数台のパソコンから印刷できる。
・コードレス電話(しかも子機2台)も内蔵している。
・もちろんFAXもついている。
FAXの買い換えを考えていた時、近くのヤマダ電機で見かけた19800円の処分品を衝動買いしてしまったのでした。はっきり言って写真画質は悪い(現行の機種ではかなり良くなってます。これも念のため)ですが、写真印刷には別のプリンターを使うし、問題ありません。
それから2年半。インクのかすれが目立つようになり、やがて各色ともヘッドクリーニングをしても線が入るようになってしまいました。
そしてクリーニングを繰り返しているうちに、廃インクパット(廃インクタンク又は廃インク吸収パット。ヘッドクリーニングなどで使った余分なインクを吸収する)が満タンになってしまったとの表示が・・・。
こうなるとメーカーに送り返してその「廃インクパット」を交換するしかありません。プリンターならいずれは出てくる「修理宣告」です。
得てしてプリンターというものは使用頻度が少ないほど故障を起こしやすいのですが、ウチのこやつはチラシや仕事用の書類印刷などでほぼ2〜3日おきには使い、おまけにFAXという役目も背負っていますから、運動不足でも過労でも良くないのは人間と同じのようです。
そして早いとこ修理に出すべと思ってブラザーのウェブページを見ると、なんと修理代金が一律12600円!確かに多機能な複合機ではあるけど、それでも高い!
そう思っていたら、なんと知り合いから「スキャナー部分が壊れて買い換えたから古いの捨てたいけど、何とかならないか?」と、似たような機種を引き取ったのでした。
調べてみると、発売時期がほぼ同じで形も似ているブラザーMFC-615CL。確かにスキャナーは動かないが、印刷は全く問題ない。ということは、
これの廃インクパットとか部品を移植できんだろうか?
よっしゃ。バラしてみたれ!どうせこれで壊しても修理代は同じや!

まず、蓋のつっかえ棒(右の青いプラスチック棒)を外す。そして、見えている4本のネジを外す。

この下にスキャナーのフラットケーブルが隠れているので、4カ所の爪から蓋を慎重に外し、ケーブルを抜く。

この蓋を外すのも難しい。手前の2カ所にマイナスドライバーを突っ込んで爪を外し、前方にずらす。この下にメインのケーブル類が隠れているので、操作パネルに繋がっているケーブルとスキャナー部分から来ているケーブルのコネクターを外す。

操作パネルの液晶を跳ね上げ、中央にある黒い部品を外す。そしてドライバーでネジを2本外す。

操作パネルは手前側の爪で引っかかっているのでそれをまず外し、上に引き上げる。そして、その下に隠れているネジ3本の内、中央と左を外す。液晶画面に繋がっているフラットケーブルも上に引き抜けば、本体上部を外すことが出来る。

いよいよ本体下半分が姿を現しました。
画面右にある黒く細長い部品が廃インクパット。確かに中のスポンジは真っ黒だ。右半分の金属部分がヘッドなど心臓部。写真では外してありますが、画面下にインクタンク部があり、ヘッド部分と細いチューブ4本で繋がっています。
調べてみると、ヘッド部分や紙送り部分を分解するネジが見当たらない。ということは、ヘッド・紙送り機構部分は故障したら丸ごと交換する方式を採っているようでした。
そして更に調べてみると、心臓部は2本のネジ、タンク部はネジ無し、廃インクパット部は1本のネジだけで本体底のプラスチックに留まっていて、合計3本のネジを外した上で、ケーブルのコネクター6カ所を外せば、インクチューブを抜くことなくプリンター部分を丸ごと取り外せる構造です。
まずは廃インクパットとアンテナ部を共締めしているネジと金具を外し、アンテナを後ろにこじって外せば、廃インクパットも外せます。

ヘッドから基板に繋がる2枚重ねのフラットケーブルをコネクターから引き抜き、通っている穴から引き出す。それからタンク部分のコネクター2カ所も抜く。

この2カ所のネジを外せば、機構部分が丸ごと外れる。

基板の黒いカバーを引き抜くとコネクターが現れるので、機構部分から繋がっている2本を抜く。

これでプリンター機構部分一式を取り外せました。下がタンク部、そしてヘッド・紙送り機構部分、右が廃インクパット。ほほぅ、こないなっとったんか・・・。
このブラザーの複合機を修理に出すと、必ず廃インクパットが新品に交換され、4色のインクも新品になって返ってくるそうで、どうやらここをまるごと新品に換えてしまうようです。そら、12600円かかるんも分かるような気がするな・・・。
知り合いから回収した分も同じように分解して、同じようにプリンター部分を取り出せました。こちらはあまり印刷していなかったらしく、廃インクパットも半分以上綺麗なままです。よし、これを移植するでぇ。

そのまま逆の手順で新しい部分を組み付けてゆく。ただ、ヘッドから繋がるフラットケーブルだけは元通りに穴になかなか通せず、基板を外さざるを得なかった。まあ、基板も4本のネジで外せるのですが。
そして本体上部カバーを被せるが、その時に、紙送り部左端のギヤに付いている透明な薄い円盤を挟まないように注意する。そうしないと、紙送り部が動かなくなってしまいます。
ケーブルや蓋を全て元に戻し、スキャナー部分のつっかえ棒も元通り取り付け、組み立て完了!コンセントを挿し、スイッチを入れる。
廃インクパット満タンの表示は自動的には消えないので、ネットで調べておいた手順でリセットをかけます。
(1) コンセントを外す
(2) 15秒後に、メニューを押しながらコンセントを入れる
(3) メンテナンスモードに入る
(4) 80と押す
(5) 「00:00 00:01 OK」と表示される
(6) モノクロスタートボタンを「PURGE: xxxxx」と表示されるまで押す(約25回くらい)
(7) 2783と押す
(8) カウンターがリセットされる
(9) 99と押す。メンテナンスモードが終了し、通常起動!
そして、いよいよ運命のテスト印刷!
お!線も全く出んし、綺麗に印刷されとるがな!
修理成功!最後に正義は勝つ!!
(ちなみに勿論ですが、これをご覧になって真似されて失敗されても、当方は一切関知しませんので悪しからず)
ただMFC840CLNと型番はほぼ似ていますが、カウンターリセットまでは上記どおりでしたが
99でリセットしなくて、電源抜き差しにてリセットしました。
分解して見てそれほど、インクは溢れていなくて、これなら吸収体を掃除しなくてもエラーリセットのみで良かったと思います。
でも助かりました。ありがとう。
私と同じように困っている人が日本中に何人もいると思います。このUP情報は貴重です。もし
MFC−735CDWも修理しましたらUPして頂きたいと思います。よろしくお願いします。
このHPに感謝致します。
リセットは簡単に出来ましたが、”46”が消えません。
10回位やって諦め、最後と思って組立 電源ON 何と 46が出ません。バンザーイ!
ありがとうございました。
フェルトを洗浄・乾燥しましたが、次回は 外部タンクにチャレンジします。